輸入車の売り時はいつ?「年数・走行距離・車検・相場」4つの判断軸をプロが解説
「輸入車は5年目が売り時」「3月に売ると高い」——調べると、こうした断定的な答えがいくつも出てきます。ただ、どれも自分の車に当てはまっているのか分からない、という方も多いはずです。
それもそのはずで、これらはいずれも1つの軸だけを切り取った話です。年数の話、季節の話、相場の話。どれも間違いではありませんが、単独では判断材料になりません。7年乗っている方が「5年目が理想」と言われても、どうしようもないからです。
売り時は、年数・走行距離・車検・相場という4つの軸を重ねて初めて見えてきます。この4つのうち、いくつが「売り」に傾いているか。それが判断の材料になります。
弊社グッドディールは大阪で輸入車・高級車の買取と海外への直接販売を手がけています。査定の現場では毎日のように「今売るべきでしょうか」と聞かれます。今回は、その場でお伝えしている判断の考え方を、そのまま記事にしました。最後に4軸のチェックリストも用意していますので、ご自身の車を当てはめながら読んでいただければと思います。
輸入車の売り時は「1つの正解」では決まらない
先に結論をお伝えします。売り時を判断する軸は次の4つです。
| 判断軸 | 見るポイント | 「売り」に傾くサイン |
|---|---|---|
| ①年数 | 初度登録から何年経ったか | 3年目・5年目・7年目の節目が近い |
| ②走行距離 | 今の距離と、これから伸びるペース | 5万km・10万kmの節目が近い |
| ③車検 | 次の車検までの残り期間 | 車検まで半年を切っている |
| ④相場 | その車種の中古相場の方向 | 相場が高値圏にある/下落の兆しがある |
大事なのは、4つのうちいくつが重なっているかです。1つだけなら急ぐ必要はないでしょう。3つ以上が重なっているなら、一度査定を受けて数字を確認する価値があります。
買取の現場で日々感じるのは、多くの方が1つの軸だけで悩んでいるということです。「まだ5年経っていないから」と待っているうちに走行距離が10万kmに届いてしまった、というケースは実際にあります。軸は重ねて見ることに意味があります。
判断軸①年数 ― 3年・5年・7年の壁と輸入車特有の値落ちカーブ
輸入車の値落ちは、国産車とは違うカーブを描きます。特徴は最初の3年で大きく下がり、その後は下落が緩やかになるという点です。
| 経過年数 | 何が起きるか | 売却の観点 |
|---|---|---|
| 3年目 | 初回車検のタイミング。値落ちが最も大きい期間を過ぎる | 車検を受ける前に一度査定する価値が高い |
| 5年目 | 2回目の車検。保証が切れ始め、消耗品の交換時期が重なる | 維持費が上がり始める前の節目 |
| 7年目 | 3回目の車検。大物整備が発生しやすくなる | 整備費用と査定額を天秤にかける時期 |
| 10年目以降 | 国内需要は下がるが、輸出需要が支える車種もある | 車種によって評価が大きく分かれる |
競合の記事によく出てくる「輸入車は5年目が理想」という説は、この観点からは一定の合理性があります。値落ちの大きい時期を過ぎ、かつ大物整備が来る前だからです。
ただし、これはすでに5年を過ぎている方には何の助けにもなりません。そして実際にご相談いただく方の多くは、5年を過ぎています。7年目でも10年目でも、他の3軸との組み合わせ次第で判断は変わります。年数はあくまで4分の1の材料にすぎません。
なお、これから購入を検討されている方は、買う時点で売るときを織り込んでおくと結果が変わります。購入タイミングの考え方については円安局面で輸入車を賢く買うタイミングを解説した記事で扱っていますので、そちらをご覧ください。
判断軸②走行距離 ― 5万km・10万kmの節目で評価は一段変わる
4つの軸の中で、もっとも自分でコントロールしやすいのが走行距離です。そして、もっとも見落とされやすい軸でもあります。
中古車市場では、年間1万kmが標準的なペースとされています。5年で5万km、10年で10万kmという計算です。この標準からどれだけ離れているかが評価に影響します。
特に効いてくるのが5万kmと10万kmという2つの節目です。中古車を探す側は「5万km以下」「10万km以下」といった条件で検索します。この境界を超えると、そもそも検索結果に表示されなくなる。買い手の母数が減れば、評価も一段下がります。
先日ご相談いただいたお客様も、まさにこのケースでした。「あと少しで10万kmだが、来月まとまった距離を走る予定がある」という状況です。こういう場合、走る前に一度査定を受けておく意味は小さくありません。
ただし、10万kmを超えたら価値がゼロになる、という話とは違います。輸出需要のある車種であれば、過走行でも十分な評価がつくことがあります。この点は誤解が多いところなので、10万km超えの輸入車がなぜ売れるのかを解説した記事で詳しく扱いました。「もう手遅れかも」と思っている方こそ読んでいただきたい内容です。
また、走行距離が伸びると消耗部品の交換時期も近づきます。バッテリーのように「交換するか、その前に売るか」で迷いやすい部品もあります。判断の考え方はバッテリー交換と売却のどちらが得かを検証した記事にまとめています。
判断軸③車検 ― 「車検を通してから」が損になりやすい理由
ここは、もっとも多くの方が誤解されているところかもしれません。
「車検を通したばかりだから、その分高く売れるはず」——そう考えるのは自然です。しかし実際の査定では、かけた車検費用がそのまま査定額に上乗せされることは、まずないのです。車検残が長いことは確かにプラス材料ですが、評価される幅は費用の全額には届かないのが一般的です。
輸入車の車検は、国産車より費用がかさむ傾向があります。部品代・工賃に加え、年式が進むと交換が必要な箇所も増えるためです。数十万円をかけて車検を通した直後に売却すると、その差額が丸ごと負担になりかねません。
したがって車検まで半年を切ったら、通す前に一度査定額を確認するのが合理的です。査定額を見たうえで、車検を通して乗り続けるか、その前に手放すかを決められます。車検のタイミングと売却の関係は車検前と車検後、どちらで売るのが得かを比較した記事で詳しく解説しています。
2026年11月から自賠責保険料が上がります
車検の話に関連して、2026年に固有の事情をひとつお伝えしておきます。
損害保険料率算出機構は2026年4月30日、自賠責保険の基準料率を平均6.2%引き上げる届出を金融庁長官に行いました。もっとも一般的な自家用乗用自動車(保険期間24か月・離島および沖縄県を除く地域)では、17,650円から18,560円へ、910円の引き上げとなります。新料率は2026年11月1日以降に保険期間が始まる契約に適用されます。引き上げは2013年以来です。
※出典:損害保険料率算出機構「【自賠責保険】基準料率届出のご案内」(2026年4月30日)
金額としては910円ですので、これ自体が売却の理由になるほどの額ではないでしょう。ただ、これから車検を受けるかどうか迷っている方にとっては、判断の材料が1つ増えたことにはなります。正直なところ、私たちプロから見ても、車検の判断で本当に大きいのは車検費用そのものの方です。910円に振り回される必要はありません。
車検を通す前に、査定額を見ておきませんか
売り時の判断に迷ったら、査定額だけでも把握しておくと決めやすくなります。
グッドディールのLINE査定なら、写真を送るだけで概算をお伝えできます。
判断軸④相場 ― 2026年の中古車相場はまだ高値圏、ただし潮目に注意
4つ目の軸は、自分ではどうにもできない外部要因です。だからこそ、定期的に見ておく必要があります。
買取価格の基準になるのは、業者間オークションの相場です。最大手であるUSSが公表している月次データによると、2026年7月の成約車両単価は134.5万円で前年同月比108.1%。2025年9月以降、前年同月比での上昇が11か月続いています。相場が高値圏にあることは数字の上でも明らかです。
ただし、同じ7月に注目すべき変化がありました。成約率が63.8%と、前年同月の66.2%を2.4ポイント下回ったのです。出品台数は前年比115.0%と大幅に増えています。オークションに出てくる車が増える一方で、買い手が買い切れなくなってきた——つまり、これまでの品薄による吊り上げ局面が、少し緩み始めた可能性があります。
※出典:株式会社ユー・エス・エス「USSオートオークション実績(速報)」(2026年8月時点で公表されている最新値)
誤解のないように申し上げますが、相場が崩れるという話とは違います。単価は上がり続けており、水準は高いままです。ただ「まだ上がるから待とう」という判断が通用しやすい局面ではなくなってきたとは言えます。相場の詳しい読み方、円安や関税との関係については2026年秋の中古車相場と潮目の読み方をまとめた記事で深掘りしていますので、相場を軸に判断したい方はそちらもご覧ください。
【診断】あなたの車は今売るべきか ― 4軸チェックリスト
ここまでの4軸を、そのまま診断の形にしました。当てはまるものを数えてみてください。
| 軸 | チェック項目 |
|---|---|
| ①年数 | 初度登録から3年・5年・7年のいずれかの節目が半年以内に来る |
| ②走行距離 | 5万kmまたは10万kmの節目まで、あと5,000km以内 |
| ②走行距離 | 年1万kmを超えるペースで走っている |
| ③車検 | 次の車検まで半年を切っている |
| ③車検 | 直近の車検で、まとまった整備費用がかかると言われている |
| ④相場 | その車種が輸出需要のあるカテゴリ(大型SUV・ミニバン・4WD等)に該当する |
| ④相場 | 次のモデルチェンジの情報が出ている |
| 当てはまった数 | おすすめの動き方 |
|---|---|
| 0〜1個 | 急ぐ必要はありません。年1回程度、相場を確認しておけば十分です |
| 2〜3個 | 査定を受けて数字を把握しておく時期です。売るかどうかは金額を見てから |
| 4個以上 | 複数の軸が重なっています。判断を先延ばしにすると条件が悪くなる可能性があります |
この診断は「売るべき」と背中を押すためのものではなく、自分がどの位置にいるのかを知るための道具だと思ってください。4個以上当てはまっても、乗り続けたい理由があるならそれが優先されるべきです。その場合は、走行距離に応じたメンテナンスを計画的に進める方が結果的に得になります。走行距離別のメンテナンスガイドを参考にしてください。
「決算期の3月が高い」は輸入車には半分しか当てはまらない
売り時の話でほぼ必ず出てくるのが「1〜3月が高い」「9月も狙い目」という季節論です。これは正しいのでしょうか。
結論から言えば、国産車の一般論としては正しく、輸入車には半分しか当てはまりません。
なぜ決算期は高いと言われるのか
3月と9月は多くの販売店にとって決算・半期決算の時期です。販売台数を伸ばしたい時期であり、新車が売れれば下取り車が入ってくる。同時に、4月からの新生活に向けて中古車の需要も高まります。売り手側の都合と買い手側の需要が重なるため、相場が動きやすい——これが季節論の中身です。国内で在庫を回している販売店にとっては、実際にそのとおりです。
輸出ルートを持つ買取店では事情が違う
一方、海外への直接販売ルートを持つ買取店では、査定の根拠が変わります。国内の決算期よりも、為替と海外市場の需要期の方が効いてくるのです。
円安が進めば、外貨を持つ海外バイヤーから見て日本の中古車は割安になり、輸出需要が強まります。日本からの中古車輸出は2025年に170万8,000台と、3年連続で過去最高を更新しました。この需要は日本の決算カレンダーとは無関係に動きます。
つまり輸入車・高級車の場合、「3月まで待つ」ことで為替や海外需要の変化を逃す可能性があるということです。季節論を全否定するつもりはないのですが、それが唯一の物差しではないという相対化はしておくべきだと考えています。
大阪エリアでは特に、この輸出の観点が効きやすいと感じています。大阪港という輸出動線を持つため、関西の業者は輸出を前提にした査定を組み立てやすいのです。関西のお客様から「他より高かった」というお声をいただく背景には、この地理的な事情もあります。オークションと海外販路で買取価格がどう決まるのかという構造そのものが、国内の決算カレンダーとは別のところで動いているということです。
売り時を逃したと感じたら ― それでもやってはいけない2つのこと
「もっと早く売っておけばよかった」——査定の現場でよく聞く言葉です。ただ、そう感じている方こそ、次の2つは避けていただきたいと思っています。
やってはいけないこと①:諦めて放置する
もっとも損が大きいのが、この選択です。売り時を逃したと感じて何もしないでいると、年数も走行距離も進み、条件はさらに悪くなります。動かさずに置いておくとバッテリーやタイヤの状態も落ちるため、放置は価値を減らす方向にしか働きません。
「もう値段がつかないだろう」と思い込んで放置されていた車が、査定してみると想定よりずっと高かった、というケースは実際にあります。特に輸出需要のある車種はそうです。まず現在地を知ることが先だと考えています。
やってはいけないこと②:乗り換え先を先に決めてしまう
これは意外に思われるかもしれませんが、買取の現場から見てもっとも損をしやすいのが「乗り換え先が決まってから売る人」です。
次の車の納車日が決まると、売却のタイミングは自動的にそこに固定されます。相場が良いかどうかとは無関係に、その日までに手放さなければならない。結果として、相場ではなく自分の都合でタイミングが決まってしまいます。急いでいると分かれば、交渉の余地も狭くなります。
順序としては、先に今の車の価値を知り、それを踏まえて次を決める方が有利です。査定額が想定より高ければ選択肢は広がりますし、低ければ乗り続けるという判断もできます。査定の前に知っておいてほしいことは、代表インタビュー『車屋が高く買い取れる理由、正直に話します(後編)』でも率直にお話ししています。
まとめ:4つの軸を重ねて、自分の位置を知る
- 売り時は年数・走行距離・車検・相場の4軸で判断する。1軸だけの正解は存在しない
- 年数は3年・5年・7年が節目。ただし5年を過ぎていても他の軸次第で判断は変わる
- 走行距離は5万km・10万kmの節目が効く。ただし10万km超でも輸出需要がある車種は評価される
- 車検費用は査定額に全額は乗らない。半年を切ったら通す前に査定を
- 相場は2026年7月時点で高値圏だが、成約率に変化の兆し。「待てば上がる」前提は置きにくい
- 「3月が高い」は国産中心の一般論。輸出ルートを持つ店では為替と海外需要の方が効く
- もっとも損をしやすいのは、乗り換え先を先に決めてしまうこと
4つの軸のうち、3つは今すぐ確認できます。残る1つ、相場だけは調べないと分かりません。だからこそ、まず査定額という数字を手に入れることを最初の一歩にしていただければと思います。
よくある質問
Q輸入車は何年目に売るのが一番高いのですか?
年数だけで一律に決まるものではありません。輸入車は最初の3年で値落ちが大きく、その後は緩やかになる傾向があるため、3年目の初回車検前や5年目の2回目車検前は一つの節目です。ただし走行距離が標準より多い場合や、車検まで半年を切っている場合、相場が高値圏にある場合は、年数の節目を待たない方が結果的に有利になることもあります。年数・走行距離・車検・相場の4つを重ねて判断されることをおすすめします。
Q車検を通してから売った方が高く売れますか?
かけた車検費用がそのまま査定額に上乗せされることは、まずありません。車検残が長いことはプラス材料として評価されますが、その幅は費用の全額には届かないのが一般的です。特に輸入車の車検は国産車より費用がかさむ傾向があるため、数十万円かけて車検を通した直後に売却すると差額が負担になりかねません。車検まで半年を切ったら、通す前に一度査定額を確認し、その数字を見てから車検を受けるか手放すかを判断されるのが合理的です。
Q「3月が売り時」というのは輸入車にも当てはまりますか?
半分は当てはまり、半分は当てはまりません。3月と9月は多くの販売店の決算・半期決算にあたり、新生活に向けた中古車需要とも重なるため、国内で在庫を回す販売店にとっては確かに動きやすい時期です。一方、海外への直接販売ルートを持つ買取店では、国内の決算期よりも為替と海外市場の需要の方が査定に効いてきます。日本からの中古車輸出は2025年に170万8,000台と3年連続で過去最高を更新しており、この需要は日本の決算カレンダーとは無関係に動きます。季節を待つことで為替の変化を逃す可能性もあるとお考えください。
Q走行距離が10万kmを超えてしまいました。もう売れませんか?
売れないということはありません。中古車を探す側が「10万km以下」という条件で検索するため、国内市場では買い手の母数が減り評価が一段下がるのは事実です。ただし輸出需要のある車種であれば、過走行でも十分な評価がつくことがあります。海外では日本の中古車が実用車として長く使われるため、走行距離より整備履歴や下回りの状態が重視される市場も存在します。「もう値段がつかない」と思い込んで放置すると年数も距離も進んでしまうので、まず現在の査定額を確認されることをおすすめします。
Q今の相場は売り時と言えますか?
相場という軸だけで見れば、2026年8月時点では高値圏にあります。業者間オークション最大手のUSSが公表している月次データでは、2026年7月の成約車両単価が134.5万円・前年同月比108.1%で、11か月連続の上昇です。ただし同じ7月の成約率は63.8%と前年の66.2%を下回り、出品台数は前年比115.0%と大幅に増えています。品薄で値が吊り上がる局面が緩み始めた可能性があるため、「待てばさらに上がる」という前提は置きにくくなっています。とはいえ売り時は相場だけで決まるものではないので、年数・走行距離・車検の状況と合わせてご判断ください。
※本記事に掲載しているオークション実績は株式会社ユー・エス・エス「USSオートオークション実績(速報)」(2026年8月時点で公表されている最新値)、自賠責保険料は損害保険料率算出機構「【自賠責保険】基準料率届出のご案内」(2026年4月30日)、中古車輸出台数は業界団体が公表する2025年実績に基づきます。相場・費用は市場動向・車両状態・依頼先により変動しますので、実際の金額は査定および見積りにてご確認ください。
株式会社グッドディールが大阪で選ばれる理由
大阪・関西圏を中心に輸入車・高級中古車の買取と販売を手がける私たちグッドディールは、単なる中古車業者ではありません。お客様が大切にしてこられたお車の価値を、プロの眼識で正しく評価し、次のオーナー様へと橋渡しをするパートナーでありたいと考えています。
売り時の判断でもっとも大切なのは、正確な現在地を知ることです。当社は東南アジア・中東圏への直接販売ルートを保有しており、国内の相場だけでは見えない需要を査定に反映できる場合があります。大阪港という輸出動線を持つ立地も、関西のお客様にとっては利点になるはずです。残価設定型クレジットやローンでお支払い中のお車についても、信販会社への残債精算から所有権解除、名義変更まで当社が代行しますので、お客様にご用意いただくのは実印と印鑑証明だけです。
「まだ売ると決めたわけではないが、判断材料として金額を知っておきたい」——そうしたご相談も歓迎しています。まずはお気軽にご相談ください。LINEでもお電話でも、おおよその査定額をすぐにお伝えできます。