車屋が高く買い取れる理由、正直に話します(後編)
前編では、買取価格に差が出る理由とオークションの仕組みについて話しました。
後編では、一括査定の裏側で何が起きているのか、グッドディールが高く買い取れる「守備範囲」、そして査定に来る前に知っておいてほしいことを話します。

目次
一括査定って、裏側で何が起きてるんですか?
「最短○秒で査定額がわかる」みたいな広告、見たことありますよね。
あれ、車屋が出してるわけじゃないんです。
広告会社が、広告収益を目的に出しているものなんですよ。
その収益は、どこから得ているかというと、僕らみたいな買取業者から。
お客さんが入力した査定依頼の情報を、各買取店に「一件いくら」で配信する。そういう仕組みです。
引っ越しの一括見積もりと、まったく同じ仕組みだと思ってもらえたら早いです。
登録している業者に、情報が一斉に配信される。
得意な業者だけに届くわけじゃなくて、守備範囲が全然違う業者にも同じように配られるんですよ。
なんであんなに営業電話が来るのか。
理由は単純で、そうしないと集客できない仕組みだからです。
業者からすると、まずは実車を見に行かないと話にならない。
だから、見に行くためのアポを取る電話が、一斉に鳴るわけです。
買取専門チェーン店とグッドディールは、何が違うんですか?
大きな違いは、仕入れた車をどこに出すかです。
- 買取専門チェーン店——基本的には、店頭で在庫として販売することをあまり目的としていません。仕入れた車は、そのままオークションに出すことが主目的になります。
- グッドディール——もちろん守備範囲外の車はオークションに出しますが、直販すること自体を目的の一部にしています。
この「出口をどこに設定しているか」の違いが、査定額にも表れてくるんです。
グッドディールの「守備範囲」って、具体的にどこですか?
直販しやすい車、つまり僕らが高く買い取れる車には、こういう特徴があります。
- 走行距離が浅い、あるいは状態が非常に綺麗
- 前のオーナーさんが大事にしていたポイントがはっきりしている
- 希少車など、他にはない独自の価値を持っている
要するに、「独自のポジションが取れる車」を集めていくという感覚です。自分たちのお客さんの色に合っていて、かつ自分たちが「売りたい」と思える車。
走行距離が10万kmを超えていたとしても、毎年ディーラーできちんと点検されている素性の良い車なら、僕らは「販売しやすい」と判断して、高く買い取ります。
距離年式だけじゃなくて、その車がどう扱われてきたかを見ている、ということですね。

逆に、高く買い取れないケースってありますか?
正直にいうと、あります。
たとえば、新車で買ったランドクルーザーやアルファードを、転売目的で10社ほど回って、11社目にうちへ来て「一番高く買ってくれ」と言われるケース。これは、ちょっと難しいです。
価格の比較自体が悪いわけじゃないんです。本当に欲しい車なら、価格勝負でも買います。
難しいのは、これといった特徴のない車両で、とにかく「1円でも高く」だけが目的になっているとき。これはどんなビジネスでも同じだと思いますが、条件だけの勝負になると、ビジネスとして成立しにくいんですよ。
そういう場合は、無理にうちに合わせてもらうより、一括査定サービスの仕組みの方が合っているかもしれません。
査定に来る前に、知っておいてほしいことはありますか?
一言でいうと、「最低限の情報は開示したほうがいい」ということです。
「希望金額を言わないほうが高く売れる」と思っている方、結構多いんですが、実は逆なんですよ。他社の提示額とか、どこで査定してもらったかとか、正直に伝えてもらったほうがいい。
理由はシンプルです。
- 車には「定価」がありません。同じ車種・年式・距離でも、まったく同じ状態の車は存在しない
- 買取価格は、最終的に商談で決まります
- こちらが提示できる上限と、お客さんの希望額が、どこで折り合うか。それが査定額です
何も開示してもらえないと、こちらも一番安全な金額しか出せなくなる。それって、お互いにとってもったいないんです。
賢く高く売るなら、こうしてみてください
① カーセンサーなどで、自分の車の「売り値(販売価格)」を調べる
② そこから業者の利益分を差し引いて、「このくらいが天井だろう」という金額を想定する
③ 「この金額に近ければ売ります」と、はっきり伝えてみる
一番困るのは、「とりあえずマックスで」というオーダーです。ゴールが見えないと、リスクを考えて、こちらもつい低めの金額になってしまう。目標がはっきりしていれば、「もう少し頑張ってみようか」と踏ん張れるんです。
効率よく査定を回るなら
初めて査定に出すときに、いきなり何十社にも一括で出すのはおすすめしません。お互い疲弊するだけなので。
まずは2〜3社に絞って聞いてみて、「他社でこれくらい出ています」という材料を持って、本命の店に相談する。これが一番スムーズで、納得感も高いです。
ただし、ネット上の概算価格だけで店を決めるのは注意が必要です。呼び込みのためだけに高い概算を提示しておいて、実車を見てから理由をつけて大きく下げてくる、というケースも実際にあります。

買取価格は、実はブラックボックスじゃありません。
オークションという市場があって、店ごとの守備範囲があって、最後は商談で決まる。仕組みを知っているだけで、納得感のある売り方ができるはずです。
→ 前編を読む「車屋が高く買い取れる理由、正直に話します(前編)」

※この記事は、グッドディール大阪 代表・篠原へのインタビューをもとに構成しています。